横浜で実家を相続・相続放棄する際の手引書:空き家を「社会の宝」に変える新しい選択肢まで
相続した空き家は「手放す」だけでなく、「活用する」という選択肢もあります。YOROZUYAは、空き家をリノベーションし、シングルマザーや困難な問題を抱える女性、その子どもたちが安心して暮らせる「シェアハウス」として再生させる事業を行っています。
横浜で相続が発生したときにまず知っておくべきこと

横浜でご家族が亡くなり、相続が発生したとき、多くの方が「何から手続きを始めればいいのか分からない」という状況に直面します。特に実家などの不動産が関わる場合、行政手続きや相続の判断が重なり、精神的・時間的な負担は決して小さくありません。
そうした中で、最初に知っておきたいのが横浜市が提供する「お悔やみ窓口」です。この窓口は、身近な方を亡くされたご遺族の負担を軽減するために設けられた専用のサポート窓口で、市内すべての区役所(全18区)に設置されています。
横浜市:お悔やみ窓口について(ご親族を亡くされた際の手続をお手伝いします)
お悔やみ窓口では、予約時の情報をもとに必要な行政手続きを事前に整理し、当日は申請書の作成補助や、手続きの流れをまとめた一覧の提供などを受けることができます。どの窓口に行けばよいのか分からない、といった不安を解消し、複雑な手続きを効率的に進められる点が大きな特徴です。
お悔やみ窓口で受けられるサポート
この窓口では、主に以下の3つの支援を受けることができます。
①必要事項の事前調査
予約時に伝えた情報をもとに、亡くなった方が利用していた行政サービスを特定し、当日必要な手続きをあらかじめ調べておいてくれます。
②申請書類の作成補助
来庁当日、窓口で申請書の作成を手伝ってもらえます。
③手続きの案内と一覧表の作成
必要な手続きをまとめた一覧表を作成し、どの窓口に行けばよいか案内してくれます。なお、一部の手続きについてはお悔やみ窓口で完結する場合もあります。
利用方法と予約の流れ
利用は完全予約制で、ウェブまたは電話から申し込みが可能です。お客様対応中は電話に出られない場合があるため、ウェブ予約が推奨されています。
死亡届の提出後、情報反映のために概ね2~10営業日空けてから予約するのが一般的とされています。希望日の4営業日前の16時まで予約可能です。
事前確認: 予約日の前日または前々日に、窓口担当者から持ち物などの確認電話が入ります。
利用条件と予約枠
亡くなられた方が住民登録をしていた区の窓口で手続きを行うことができます。
窓口は、鶴見区(1階区民ホール内)、神奈川区(本館4階)、西区(1階区民ホール内)、中区(7階会議室前)など、各区役所内の指定の場所に設置されています。
予約枠については、平日のみ1日4枠(①9:00〜、②10:30〜、③13:30〜、④15:00〜)で、各枠50分間です。相談時間の目安ですが、手続きの案内自体は、1件につき概ね20分以内とされています。
注意点
なお、すべての手続きがこの窓口だけで完結するわけではありません。また、内容によっては一度で手続きが終わらない場合もあります。また、この窓口を利用せず、各担当窓口で直接手続きを行うことも可能です。
しかし、「何をすべきか」を整理する入口として非常に有効な制度です。相続の第一歩として、まずはお悔やみ窓口を活用することをおすすめします。
「負の遺産」から身を守る:横浜での相続放棄の手続きと期限

相続は、預貯金や不動産といった資産だけでなく、借金やローンなどの負債も引き継ぐ仕組みです。そのため、状況によっては「相続しない」という選択が必要になることがあります。こうした場合に有効なのが「相続放棄」です。
相続放棄の基本知識
相続放棄とは、被相続人の権利や義務を一切引き継がないとする法的手続きであり、家庭裁判所に申立てを行うことで成立します。これが認められると、その人は「最初から相続人ではなかった」とみなされ、借金などの負債を負うことはありません。ただし同時に、預貯金や不動産といったプラスの財産も一切受け取ることができなくなります。
特に横浜のような都市部では、「不動産の価値が高そうに見えるが、実際には住宅ローンが多く残っている」といったケースも少なくありません。見た目の資産価値だけで判断せず、正確な財産調査を行うことが重要です。
相続放棄の「3ヶ月ルール」
相続放棄には厳格な期限があり、「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」に家庭裁判所へ申立てを行う必要があります。この期間を過ぎると、原則として相続を承認したもの(単純承認)とみなされてしまいます。
民法第915条
- 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
- 相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。
ただし、財産調査に時間がかかる場合や、借金の存在を全く知らなかったなどの「相当な理由」があれば、事前に申し立てることで期間の延長が認められることもあります。
横浜での手続き方法と必要書類
横浜市内の場合、手続きは被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所、すなわち横浜家庭裁判所で行います。
必要書類
| 書類名 | 何のための書類か | 何が書かれているか | 入手場所 | 申請に必要な物 |
|---|---|---|---|---|
| 相続放棄申述書 | 「相続を放棄します」と家庭裁判所に正式に伝える | 亡くなった人の情報、相続放棄する人の情報、続柄、相続放棄する意思表示、放棄の理由 | 家庭裁判所の窓口、裁判所のサイトからダウンロード | 収入印紙800円、郵便切手数百円 |
| 被相続人の住民票除票 | 亡くなった人が実在していたこと、最後にどこに住んでいたかを証明 | 削除された住民票の記録 | 亡くなった人の最後の住所地の市区町村役場 | 申請書、本人確認書類、手数料 |
| 被相続人の戸籍謄本 | 本当に亡くなったか、 誰が相続人かを証明 | 氏名、生年月日、親子関係、配偶者、結婚・離婚、死亡 | 亡くなった人の本籍地の市区町村役場 | 申請書、故人の戸籍謄本、本人確認書類、印鑑、手数料 |
| 申述人(放棄する人)の戸籍謄本 | 家族関係を公的に証明 | 氏名、生年月日、親子関係、配偶者、結婚・離婚、死亡 | 本籍地の市区町村役場の窓口、コンビニ | 請求書、本人確認書類、手数料400円程度 |
裁判所 相続の放棄の申述書(成人)
横浜市 戸籍・住民票などの証明書
横浜市 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)などを窓口で請求する
横浜市 除籍謄本(除籍全部事項証明書)・改製原戸籍謄本などを窓口で請求する
注意点
一方で、相続放棄には見落とされがちな注意点もあります。相続放棄は強力な制度である一方、判断やタイミングを誤ると大きな影響を及ぼします。制度の仕組みを正しく理解し、自分にとって最適な選択を検討することが重要です。
一度きりの手続き
相続放棄の申し立ては一度しかできず、却下された場合のやり直しはできません。また、受理された後に「やはりプラスの財産が多かった」と分かっても、撤回はできません。
民法第919条
- 相続の承認及び放棄は、第915条第1項の期間内でも、撤回することができない。
- 前項の規定は、第1編注:(総則)及び前編注:(第5編 親族)の規定により相続の承認又は放棄の取消しをすることを妨げない。
- 前項の取消権は、追認をすることができる時から6箇月間行使しないときは、時効によって消滅する。相続の承認又は放棄の時から10年を経過したときも、同様とする。
- 第2項の規定により限定承認又は相続の放棄の取消しをしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
単純承認のリスク
手続き前に遺産を処分したり、借金の一部を支払ったりすると、相続を認めたとみなされ放棄できなくなる(単純承認)恐れがあります。形見分けの範囲を超える処分には注意が必要です。
民法第921条
次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
管理義務の継続
相続放棄をした後も一定の責任が残ります。次の相続人や管理者が決まるまでの間は、不動産を適切に管理する義務があり、空き家を放置して近隣に損害を与えた場合には責任を問われる可能性もあります。
民法第940条
- 相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第952条第1項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。
- 第645条、第646条並びに第650条第1項及び第2項の規定は、前項の場合について準用する。
相続して活用する場合の選択肢
もし、負債の問題ではなく「管理が大変だから」という理由で相続した家を手放すか迷っているのであれば、相続した上で専門の法人に任せる方法もあります。

例えば、「YOROZUYA」では、相続した空き家などをシングルマザー向けシェアハウスとして再生し、リフォームから運営管理までを所有者に代わってすべて引き受けるサポートを行っています。これにより、管理の負担から解放されつつ、資産を社会貢献に役立てることが可能です。
YOROZUYAでは、横浜市の空き家に関する無料相談を受け付けています。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
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家を相続した場合の現実:空き家放置が招く4つのリスク

空き家を放置することは、資産価値を下げるだけでなく、所有者にとって多大な経済的・法的リスクを招く可能性があります。資料に基づき、主な4つのリスクについて詳しく解説します。
1. 経済的負担の継続
誰も住んでいない状態であっても、その家を所有している限り、以下の費用がかかり続けます。
- 固定資産税などの税金: 毎年必ず発生する経済的な負担です。
- 維持管理費用: 庭木の手入れや除草、ポストの管理などのコストも無視できません。
固定資産税は、毎年1月1日現在の土地や家屋の所有者に対して課せられる税金です。横浜市では、固定資産税1.4%とあわせて都市計画税0.3%も課税されます。
住宅が建っている土地(住宅用地)には、税負担を軽減する特例が適用されます。このため、建物を取り壊して更地にしてしまうと、この特例が受けられなくなり、土地の税金が大幅に上がる可能性があります。
例えば、土地150㎡(小規模住宅用地)、家屋延床面積104㎡(木造2階建専用住宅)だと、令和8年度の税負担は、固定資産税87,600円・都市計画税28,200円の合計115,800円です。
横浜市 令和8年度の税負担の計算(例)
横浜市 令和8年度固定資産税(土地)の税額計算の仕組み
2. 建物の老朽化と修繕費の増加
家は人が住まなくなると劣化が急激に進みます。長期間放置されることで屋根や外壁の傷みが深刻化し、いざ活用しようとした際や売却しようとした際に、修繕費用が高額になるリスクがあります。
3. 防犯・防災リスクの増加
空き家は人の目が届かないため、以下のような危険性が高まります。
- 不法侵入や放火: 防犯体制が不十分なため、犯罪の標的や火災のリスクが生じます。
- 建物の倒壊: 老朽化した建物が倒壊し、通行人などに怪我を負わせた場合、所有者は損害賠償責任(工作物責任)を問われる恐れがあります。
民法第717条
- 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
- 前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
- 前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。
4. 近隣トラブルと景観の悪化
放置された空き家は地域全体に悪影響を及ぼします。
- 景観の損壊: 雑草の繁茂や建物の荒廃は、地域の資産価値や景観を損ねます。
- ご近所からの苦情: 管理不足により近隣住民との関係が悪化し、トラブルに発展するケースも少なくありません。
補足:相続放棄をしても残る「管理義務」
特に注意が必要なのは、相続放棄をした場合でも、すぐに管理責任から解放されるわけではないという点です。民法第940条により、次の相続人が管理を始められるようになるまで、放棄した人も「自己の財産におけるのと同一の注意」をもって管理を継続する義務があります。これを怠り、建物が倒壊して他人に損害を与えた場合は責任を免れません。
民法第940条
- 相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第952条第1項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。
- 第645条、第646条並びに第650条第1項及び第2項の規定は、前項の場合について準用する。
相続した家を「価値ある資産」へ:YOROZUYAの空き家活用という選択肢
実家を相続したものの、「使い道がない」「管理が大変」といった理由から空き家の扱いに悩む方は少なくありません。しかし、その空き家は単なる負担ではなく、活用次第で「価値ある資産」へと生まれ変わらせることができます。その一つの選択肢が、居住支援法人YOROZUYA(ヨロズヤ)による空き家活用です。
YOROZUYAの空き家活用とは

YOROZUYAは、相続などで生じた空き家をリノベーションし、シングルマザーや困難を抱える女性、その子どもたちが安心して暮らせるシェアハウスとして再生する取り組みを行っています。単に建物を貸し出すのではなく、地域と連携しながら生活や子育てを支える仕組みまで含めた住まいの提供を特徴としています。
所有者にとっての3つの大きなメリット
①完全サポートによる手間いらずの運用
リノベーションから入居者募集、運営・管理までをすべてYOROZUYAが担うため、所有者自身が手間をかける必要がありません。
②維持費とリスクの軽減
放置による老朽化や修繕費の増大、防犯・防災リスク、近隣トラブルといった空き家特有の問題も大きく軽減されます。
③社会貢献への参画
自身の資産が社会課題の解決に直接つながる点も、この活用方法の大きな魅力です。大切な実家が、誰かにとっての「安心して帰れる家」となり、新たな価値を持つ存在へと変わります。
公的機関との連携による高い信頼性
YOROZUYAの取り組みは行政とも連携しており、横浜市の「居住支援サポーター」として登録されているほか、国土交通省のモデル事業にも選定されています。空き家はセーフティネット住宅として活用されるため、公的にも信頼性の高い運営体制が整っています。
活用の流れと条件
実際の活用は、相談から現地調査、提案、リノベーション、運営開始という流れで進みます。一定の条件はありますが、まずは気軽に無料相談することで、自身の状況に合った活用方法を具体的に検討することができます。
相続放棄を選ぶ前に、あるいは相続後の管理に悩む前に、「活用する」という選択肢を知っておくことは非常に重要です。空き家を「社会の宝」として生かすという新しい考え方が、これからの相続における有力な選択肢の一つになっています。
まとめ:横浜の専門家やサービスを賢く使い、最適な選択を

横浜で実家を相続する際は、「相続放棄」か「相続して活用」かを早めに判断することが重要です。相続放棄には期限があり、不動産には管理や税負担といった現実的な問題も伴います。
判断に迷った場合は、横浜市の「お悔やみ窓口」や専門家のサポートを活用することで、手続きをスムーズに進めることができます。
また、空き家は「手放す」だけでなく、「活用する」という選択肢もあります。YOROZUYAのようなサービスを利用すれば、管理の負担を減らしながら資産を社会的に役立てることも可能です。
相続は一人で抱え込まず、適切な支援を活用しながら、自分に合った最適な選択を見つけていきましょう。